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ロビンソン・ファクトリー(屋号)

 

本を作るデザイナーです。

「ロビンソン」は、デフォーの小説「ロビンソン・クルーソー」からとっています。

孤島に一人きりのロビンソン・クルーソーと、一人きりで仕事をする自分の姿を重ね合わせたからです。

どうして一人きりなのかというと、

ロビンソン・クルーソーは乗っていた船が難破し、一人だけ助かったからです。

一方、ぼくは勤めていた会社を辞めたため、フリーランスとして一人で仕事を始めました。

そのときには気づいていませんでしたが、大海に小さなボートで漕ぎ出したようなものでした。

ロビンソン・クルーソーは無人島に漂着します。

ぼくはニューヨークに渡りました。

夢や憧れではなく、現実にわずかな仕事のツテがニューヨークにあったからでした。

日本を離れ住んだのは初めてのことでした。

たくさんの人たちのお世話になり、少しずつ生活を固めていきました。

穏やかな波ばかりではありませんでしたが、

なんとか浮いていられる程度には仕事を得ることができるようになっていきました。

当時は個人名だけで仕事をしていました。

ただ気になっていたのは、仕事上の問い合わせをするとき、必ず会社名を聞かれることでした。

あるとき、ストックフォトを借りようと連絡すると、会社所属でないと貸せないと言われました。

とっさに浮かんだのが「ロビンソン・ファクトリー」でした。

先方はその名前を聞いただけで、手続きを進めてくれました。

それ以来「ロビンソン・ファクトリー」は、

防水のきいたコート程度には身を守ってくれるものになりました。

 

現在は日本に居を移し、引き続きフリーランスとして仕事を受けています。

 

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